■書名:季節のおりがみ花飾り 折って切って 簡単カワイイ
■著者:いまい みさ
■出版社:講談社
■発行年月:2018年6月
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手や指を動かすレクに最適!折り紙の花飾りをコミュニケーションの一環に!
折り紙で作る鶴や兜(かぶと)。誰もが一度は作ったことがあるだろう。
色とりどりの紙を前にして、何色がいいだろうかと迷いながら折った幼い頃の思い出や、上手にできたときの嬉しさを覚えている方もいるのではないだろうか。
紙さえあれば手軽にできる折り紙は、介護施設でのレクリエーションに取り入れられていて人気も高い。
折り紙を折ることによって手や指を使うことで脳の活性化が期待でき、折り目をきちんと作ろうと注意力を働かせることから、認知機能の低下防止のリハビリとしても折り紙は活用できる。
著者のいまいさんは、身近な素材から手作りおもちゃを創作する造形作家で、各地でワークショップを開催し、介護施設でも講演を行っている。
本書には、作って飾ることのできる簡単でカワイイ花飾りの作り方が紹介されている。
巻頭に載っているいまいさんのメッセージからは、花と折り紙に寄せるやさしい思いが伝わってくる。
<お花が咲くと 喜びがあふれ 心が弾み 幸せな心地に包まれます
そんな素敵な花々を おりがみという身近な材料で 作ることができるのです
作る人、目にした人の笑顔を呼ぶ 「おりがみの花」
簡単な手順のなかにも 手作りという「真心」がこめられます>
本書を開くと、まず色鮮やかな花々の写真が目に飛び込んでくる。
チューリップの花束、ダリアの置き飾り、バラのコサージュ、カラーの一輪差し、アサガオのつるし飾りなど。ハロウィンやクリスマス、お正月といった、季節ごとに飾れるリースや額飾りもすべて折り紙で作ることができる。
四季折々の花が、さまざまな形で飾られているページを見ているだけでも、心がワクワクしてくる。しかもその花が、さほど難しくない手順で作れるとなれば、「やってみたい!」と思うはずだ。
本書は、最初に折り紙のサイズやきれいに折るためのコツ、のりやテープなど用意するものについての説明がある。
その後、飾り方による作品のグラビアページに続いて、作り方が掲載されている。
まずは「作りたい花 人気ベスト3」のバラ、ダリア、カラーが紹介されている。その後は、桜、ヒマワリ、コスモス、椿など、春夏秋冬の順におよそ20種類の花が並ぶ。
その他にも、ドングリ、ろうそく、ヒイラギ、恵方巻といった季節感あふれる小物や、リスやウサギの動物の折り方も掲載。
また、作品を集めて飾るための額やリースの作り方もいくつも紹介されている。
オールカラーで、花びら、茎、葉などパーツごとの見出しもあり、山折りや谷折りなどの折り方の記号の説明も見開きで説明されているのでわかりやすい。
花の折り方のページには必ず「この花の魅力」として、いまいさんの花への思いが語られているのもユニークで気持ちを温かくしてくれるのではないだろうか。
本書で紹介されている通りの色の折り紙で作れば、写真と同じような出来上がりになるし、別の色を使えば、それはまた違った雰囲気の作品に仕上がるはずだ。
リースや額の色を変えてみるだけでもかなり印象が違ってくるだろう。同じ花を折っても、十人十色のさまざまな作品が出来上がる楽しさ、おもしろさを味わうことができる。
レクリエーションの一環に取り入れて、選んだ色や、その花にまつわる思い出を話しながら利用者さんと一緒に取り組めば、利用者さんとコミュニケーションをとるきっかけになるかもしれない。
作る過程も出来上がりの作品の鑑賞もすべてが楽しめる折り紙を、本書を参考に始めてみてはいかがだろうか。
著者プロフィール(引用)
いまい みささん
折り紙を中心にリサイクル素材も活用し、身近な材料で手軽に作れる「手づくりおもちゃ」の提案を続ける造形作家。その作品は、新聞や教科書、保育誌や児童誌にも掲載されることで広く知られている。また日本各地でワークショップを開催し、小学校や保育園・幼稚園、介護施設での講演と、こどもから大人まで幅広く、手づくりの温かさや工作の面白さを伝える活動をしている。誰にでもつくれる簡単さをモットーとし、なおかつカワイイことが作品の持ち味。