■書名:超高齢社会の「困った」を減らす課題解決ビジネスの作り方
■著者:斉藤 徹
■出版社:翔泳社
■発行年月:2019年11月
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高齢化社会をビジネスで解決!元気に楽しく生きるヒントやアイデア満載の1冊
「人生100年時代」という言葉が世間でよく使われるようなっている。長寿は喜ばしいことだが、そこには多くの問題が山積していることは誰もが知っているとこだろう。
真っ先に挙げられるのは、
高齢者自身の健康問題だ。
歳を重ねるごとに、さまざまな病気にかかりやすくなり、医療費がかかる。
特に認知症対策は差し迫った課題となっている。
また、高齢者の増加が社会全体に及ぼす影響もある。
単身高齢者が地域コミュニティになじめず孤立したり、近くに店がなくて食料品が買えずに困る買い物難民になったりする問題は目新しいことではない。
さらに、振り込め詐欺、ゴミ屋敷問題、空き家問題といった社会問題も高齢者と関わりがある。
こうした「困った」は文字通り誰にとっても「困った」問題なのだが、それを
ビジネスチャンスとして考えてみようというユニークな発想でまとめられたのが本書だ。
筆者の斉藤さんは、経歴を見ればわかる通り、ビジネスに精通している一方で、社会福祉士でもあり、高齢社会を見つめる研究員でもある。
高齢社会のニーズをビジネスと結びつける捉え方には説得力がある。
<社会課題の解決には新しい知恵や工夫が必要です。本書では、高齢社会に立ちはだかる大きな壁に果敢にチャレンジする人々や企業の姿をリサーチし、課題解決のアイデアを考えるヒントを提供したいと考えています。このようなイノベーション・マインドを持つ人々の輪を広げることで、迫り来る高齢社会の課題解決に立ち向かう機運を高めたいというのが、本書の執筆動機です。>
本書の構成は次のとおり。
序章 高齢社会の課題はビジネスになるか?
第1章 社会課題を解決するビジネスの作り方
第2章 「体」が変わる――「体の変化」に対応するビジネス
第3章 「介護」が変わる――多様化する「介護周辺ビジネス」
第4章 「生活」が変わる――「日常の困りごと」を助けるビジネス
第5章 「地域」が変わる――「地域コミュニティ」を活性化するビジネス
第6章 「余暇」が変わる――「学び」と「エンターテインメント」のビジネス
第7章 「仕事」が変わる――長寿社会の「働き方」をサポートするビジネス
第1章で、高齢社会では今どのような問題が起きているのかを解説し、第2章以降で「体の変化」「介護」「日常生活」「コミュニティ」「学び・エンタメ」「働き方」の6テーマの視点からさまざまな問題を具体的な解決策を探るという流れだ。
各章の初めにテーマに関する基礎知識、どのような課題があるか・成立しうるビジネスのあり方を説明した後、開発された商品やサービスなど実際にビジネス展開している事例を紹介する形式となっている。
事例紹介も、「どんなビジネス?」「発想のきっかけ」「どこが新しい?」「ブレイクスルーのポイント」「ビジネスのヒント」と項目が決まっていて、写真や図表も多く読みやすい。
・難聴者でも聞こえやすいスピーカー
・排泄を事前に予測できるデバイス
・行方不明となった認知症高齢者を発見するQRコード
・学びながら暮らすカレッジリンク型高齢者住宅
・親の人生をまるごと1冊の雑誌にするサービス
・仕事を提供して高齢者を元気にするシニア住宅
など
実にさまざまなアイデアでビジネス化した事例が満載だ。紹介されたビジネスの連絡先も掲載されているので、実際に利用することもできる。
さまざまなアイデアが載せられているので、本書に掛かれたアイデアを工夫して介護現場に生かすこともできるだろうし、高齢社会とはどのようなものであるかを俯瞰するのにも役立ちそうだ。
気軽に読めるので、仕事の合間などにぜひ読んでみてはいかがだろうか。
著者プロフィール(引用)
斉藤 徹(さいとう・とおる)さん
西武百貨店、流通産業研究所、パルコを経て、株式会社電通入社。現在、電通ソリューション開発センター電通シニアプロジェクト代表。長年、シニア・マーケットのビジネス開発に従事する。社会福祉士。吉祥寺グランドデザイン改定委員会幹事、一般財団法人長寿社会開発センター客員研究員も兼ねる。
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