厚生労働省は2月11日、「第23回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード」を開催。
クラスター発生が増加している高齢者施設での感染対策として、業務支援や研修・人材確保の準備を都道府県に呼びかけました。
感染制御は地域で対策を
高齢者施設など多くの人が同時に生活している環境では、新型コロナウイルスなどの感染症が発生した場合には、感染の広がりを迅速に制御する必要があります。
そこで厚生労働省では、都道府県に対して「感染制御・業務継続支援チーム」の整備を要請。
1件でも感染が発見されたらすぐに、感染管理の専門家に相談できる体制づくりを求めています。
感染対策で必要とされる支援は、
・現場でのゾーニング(空間分け)や感染防護具の着脱方法の相談・指示
・施設運営のマネジメント
・感染者の入院・転院などの調整
・人材派遣
・職員のメンタルヘルスケア
などです。
都道府県の感染制御支援チームの例
都道府県における感染制御・クラスター予防の実践例として、千葉県・愛知県・岡山県での取り組みが紹介されています。
参考:厚生労働省「
第23回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和3年2月11日)」
〇千葉県
感染管理を専門とする医師・看護師等により構成された「クラスター等対策チーム」を編成し、高齢者施設等においてクラスター等が発生した際に、感染管理の専門家の派遣を行うとともに、施設の運営を支援する看護師の派遣を行う事業を実施。
〇愛知県
DMAT(災害派遣医療チーム)隊員の資格を持つ医師等により構成された「医療体制緊急確保チーム」を編成し、各保健所の入院調整等に係る現場支援や、クラスター発生及び拡大を抑制するための初動対応、治癒後の転院調整等を行うことで、感染症対策に係る専門家等と連携し、調整本部の本部機能を強化。
〇岡山県
医療機関や福祉施設において集団発生した場合などに、速やかに感染拡大防止対策を講じられるよう、感染症対策に係る専門家チームや現地医療提供チーム等を編成し、「岡山県クラスター対策班」を派遣する体制を整備。また、福祉施設や事業所などに対する感染予防対策への助言等を行うため、県を通じて、保健所、各自治体からの要望に応じ、事業所等への感染予防研修を実施。
新型コロナウイルス対策は「事前準備」が重要
新型コロナウイルス予防のための習慣が当たり前になっていますが、いまだに収束したとは言えないのが現実です。
新型コロナウイルスを封じ込めたとしても、また新たなウイルスとの戦いが発生する可能性もあります。
感染予防はもちろん、感染したことを想定し、どのように対処するか・どのような物品が必要かを、具体的に準備しておくことが大切ではないでしょうか。