介護労働安定センターが、新型コロナウイルスの介護業界への影響について調査した結果が公表されました。
対象となったのは、介護事業所とその労働者。
介護事業所への調査で、新型コロナに対する国からの支援策の現状が明らかになりました。
参考:公益財団法人 介護労働安定センター「令和2年度 介護労働実態調査(特別調査)結果について」
介護士への慰労金を9割以上が申請
2020年に、新型コロナ対策の一環で『介護士への
慰労金支給』が実施されました。
現職の介護士だけでなく、退職済みの人も対象で、個人申請も可能だったこの
慰労金は、90.1%の事業所が適用したと答えています。
今年1月には
慰労金の再支給を政府に訴える意見がありましたが、再支給はまだ実現していません。
現場で働く介護士1人1人を支援する具体的な対策が進むことを願います。
かかり増し費用の交付、感染防止の取り組み支援は……
介護士への慰労金を9割の事業所が申請している一方で、慰労金以外の国や自治体からの支援については、申請していない事業所が多いことがわかりました。
【介護報酬・人員基準の特例】
・申請した……22.5%
・知っているが申請していない……58.5%
・知らない……12.7%
・無回答……6.2%
※厚生労働省老健局事務連絡「新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて」に基づく人員基準や介護報酬などの適用
【感染対策のかかり増し費用の助成】
・申請した……47.8%
・知っているが申請していない……29.5%
・知らない……13.2%
・無回答……9.4%
【介護サービスの利用再開の支援】
・申請した……6.7%
・知っているが申請していない……56.9%
・知らない……20.9%
・無回答……15.6%
【家賃支援給付金】
・申請した……0.9%
・知っているが申請していない……55.2%
・知らない……31.9%
・無回答……12.0%
【雇用調整助成金】
・申請した……4.4%
・知っているが申請していない……61.5%
・知らない……22.7%
・無回答……11.5%
【小学校休業等対応助成金】
・申請した……6.6%
・知っているが申請していない……48.7%
・知らない……33.5%
・無回答……11.2%
国や自治体の支援について「知らない」という回答も一定数見られます。
必要な支援の活用が進むためには、申請の簡略化はもちろんのこと、確実な情報提供も必要なのではないでしょうか。
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介護労働安定センターでは、他にも「慰労金などの支援策」「介護事業所でのICT導入」などについて調査の結果が報告されています。
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