毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。
今週は、「履歴書」にまつわる話題を紹介します。
履歴書がなくても、やる気があれば大丈夫?
就職や転職などをする際、ほぼ間違いなく提出を命じられるのが履歴書だ。
志望動機の欄にアツい思いをぶつけたことが合格に繋がったり、一生懸命書きこんだのにも関わらず、書いたことについて尋ねられなくて拍子抜けしたりと、履歴書には百人百様のドラマがある。
人によっては「書く側」から「読む側」に回った人もいるだろう。
現在、都内の介護事業所で働く40代の男性・Tさんもそのひとり。
Tさんに履歴書にまつわる話しを聞いた。
Tさんは大学卒業後、ワーキングホリデーを利用してカナダに渡り、帰国後は語学力を活かしてホテル業界に就職。
その後、2回ほど転職を経た後、「これからは絶対に需要度が高まる」と、介護業界を志した。
しかし、そのスタートは驚きの連続だったという。
「最初はあまり深く考えずに、『名前を聞いたことがある大手の介護事業所がいいだろう』と、家の近くにあった○○に電話をかけたんです。
すると電話に出た担当者は、会社の経営がいかに健全か、社員の労働環境がいかに良いかについてひとしきり説明した後、『で、面接にはいつ来られますか?』と、唐突に面接の日取りを指定してきました。
そこで私が、『何を持っていけばいいですか?』と聞いたら、『何も持ってこなくて結構です! 私たちが必要としているのは、あなたのやる気です!!』と言われたんです。
履歴書がいらないっていうのも驚きましたし、しきりに会社の良さをアピールする割には、人手が足りてなさそうだなと思いました」
修正液や二重線のある履歴書はざらに見かける?
それでも面接に足を運んだ結果、めでたく○○に合格した。しかし、自身の目指す方向性とはズレを感じたため、結局同業他社に転職したTさん。
そんな彼も今や履歴書を見る側に回ったが、時には“スゴい履歴書”にお目にかかることもあるという。
「もはや“修正液を使う”“書き損じを二重線で消す”ぐらいじゃ驚きません。
介護業界なのに、志望動機の欄に『子どもが大好きです』って書いてあった時は、思わず『どういう意味ですか?』って聞きました。
『子どもが好きなんで、そう書いただけですけど……』って言ってましたね。でも、いまだに意味が分かりません。
それから、感情を表すあれってなんていうんでしょう?
履歴書に『(笑)』とか『(涙)』とか使う人もいますね。
趣味の欄に『スキーが大好きです。けど昨年は骨折してしまいました(涙)』みたいな。
絵文字で印象が悪くなることこそあれ、良くなることはありませんよね」
Tさんは、「履歴書だけを見て不採用にすることはない」と語るものの、「履歴書を見て苦笑いするような人は、面接しても『やっぱり……』と思ってしまうのがほとんど」とのこと。
履歴書で自分を売り込むのは大事なことだが、“悪目立ち”してしまうようなアピールは避けたほうが懸命なようだ。