■書名:介護現場で使える 医療知識&お薬便利帖
■著者:介護と医療研究会
■監修:河村 雅明、野口 修
■出版社:翔泳社
■発行年月:2017年10月
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介護職が現場で使える!医療や薬の知識をまとめた手軽な一冊
団塊の世代が後期高齢者となる2025年はもう目前に迫ってきている。
在宅であれ施設であれ、生活支援を必要とする高齢者は増え、介護のニーズがより高まることは想像に難くない。
少々語弊があるかもしれないが、高齢者に病気はつきもので、ほとんどの高齢者がなんらかの病気を抱えている。
ケアをしていく中で、「あれっ、いつもと様子が違う」「朝飲む薬を飲み忘れているようだ」というような場面に遭遇したとき、どうしたらいいのか?
医療や薬の知識は、そのようなときに必要とされるのだが、そんなときに本書はぴったりの内容だ。
<業務に従事しながら、新しい知識を身につけていくには、現場で疑問に思ったことをすぐに解決していくことが早道です。
医療や薬に関する知識は膨大な量ですが、基本的な内容を押さえておけば、日常の介護業務を行うには十分です。本書は、介護職に必要な医療的知識や薬の知識を現場で役立つように編集してあります。>
本書は、次のような構成になっている。
Part1. 介護に役立つ医療と薬の知識
Part2. 高齢者によくみられる疾患
Part3. 介護職が知っておきたい薬の話
Part4. 介護職が知っておきたい医療の基礎知識
Part1では、質の高いケアを行うため、そして医療とのスムーズな連携のために、介護職にも医療や薬の知識が求められることをわかりやすく説明。
介護職が行える医療的ケアや看取りについてもポイントを押さえて解説している。
Part2では、風邪、気管支喘息、誤嚥性肺炎、認知症、糖尿病、褥瘡といった高齢者にはおなじみの疾患がずらりと並ぶ。
それぞれ、どのような病気か、症状、治療法の一例、日常生活の注意点、処方薬と服薬介助、医療連携時のポイントが書かれている。一つの病気について、見開きでコンパクトにまとめられていて、一目でわかるようになっている。
Part3では、薬が効く仕組みに始まり、薬の正しい使い方、副作用について、飲み合わせ・食べ合わせ、飲み忘れ対策や飲み忘れた時の対応等の説明がされている。薬剤師との連携の必要性も記述されている。
Part4では、医療の基礎知識として、人体の構造と仕組み、医療職の役割、介護職が行える医療行為、リハビリの基礎知識を解説。
巻末には医療用語の解説と薬の一覧表も掲載されている。薬は疾患ごとに分類され、一般名と商品名の両方が載っており、参考にしやすい。
利用者のちょっとした変化で気になったことをそのままにせず、すぐに調べて疑問を解消すれば、より良いケアを提供できる上に、自分の行為にも自信が持てる。
また介護の現場で使える『介護・医療連携シート』がWebからダウンロードできるようになっており、日々の仕事にいろいろと活用できる実用本としてお薦めである。
著者プロフィール
著者:介護と医療研究会(かいごといりょうけんきゅうかい)
介護・医療関係をテーマに編集・執筆を行うグループ。介護・医療雑誌の取材、執筆などを手がける。介護・医療関係者が在籍し、介護業界をよりよくするために意見を交わしている。
監修:河村 雅明(かわむら・まさあき)さん
日本大学医学部卒。医療法人社団弘成会河村内科院長。2012年から2016年まで一般社団法人東京都北区医師会の代表理事・副会長、東京都北区高齢者あんしんセンターサポート医、東京都北区障害者介護給付費等審査会長ほか務める。
監修:野口 修(のぐち・おさむ)さん
帝京大学薬学部卒。製薬メーカー営業を経て、有限会社野口薬局の薬剤師として勤務。商店街にある「かかりつけ薬局」として、気軽に地域住民の相談を受け付けている。現在、一般社団法人北区薬剤師会会長を務める。