■書名:介護現場の「困りごと」解決マニュアル:倫理的視点で読み解く30事例
■著者:中村 裕子
■出版社:中央法規出版
■発行年月:2019年12月
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介護現場のお悩み解決!現場でよくある困りごとの対応策を、5つのステップで解説!
介護の現場で働いていると、悩みや困りごとは尽きないのではないだろうか。
仕事を始めたばかりの人ならもちろんのこと、経験を積んだベテランであっても同様のはずだ。
本書では、そうした介護職が抱えるさまざまな問題について、その原因を知り、解決へ向かうための方法が学べる。
サブタイトル
「倫理的視点で読み解く」のとおり、困りごとを「倫理的」に解決することを目指した本書。具体的な事例をベースに解説が構成されているので理解しやすい。
言葉づかいもわかりやすいので、「倫理」という言葉に尻込みせず手に取ってみてほしい。
本書で取り上げている事例は30件。
どれも介護現場で起こりがちなものばかりだ。
たとえば、利用者の要望をどこまで受け入れたらよいのか悩む事例として、次のようなものがある。
事例4 「どうしてもいちばん風呂がいい」という利用者への対応
事例5 「自宅で暮らしたい」という利用者への対応
事例6 食事を「いらない」という利用者への対応
また、利用者と家族の意向が違うことで生じる困りごととしては次の通り。
事例21 退院後に自宅に戻りたい利用者と施設で暮らしてほしい家族への対応
事例23 トイレで排泄したい利用者とおむつを着用してほしい家族への対応
このほか、次のような事例も介護現場でよく起こるものだろう。
事例11 特定の職員に贈り物を渡す利用者への対応
事例16 気の合わない利用者がいるため、デイサービスに来なくなった利用者への対応
事例28 利用者に病名を告げることについて、家族間で意見が分かれる場合の対応
こうしたすべての事例について、以下の5つのステップを踏んで解決していく。
Step1 どこに倫理的な問題があるか、考えてみよう。
Step2 あなたなら、この問題をどのように解決するか、考えてみよう。
Step3 『問題解決の6原則』に照らし、『倫理的課題』を明らかにしよう。
Step4 『倫理的調整の規則』に従い、解決の方針を立てよう。
Step5 解決の方針に従い、解決に向けた実践をしよう。
この流れで読み進めていけば、それぞれの事例についての解決方法を学ぶだけでなく、
問題解決のための知識と考え方が身についていくことだろう。
なお、「問題解決の6原則」とは、倫理的に解決するための基本姿勢なので、ここに挙げておこう。
原則1 利用者の思いや立場を最優先する。
原則2 利用者の元気なころの生活環境の維持をめざす。
原則3 介護実践により利用者のQOLの向上につなげる。
原則4 利用者にとって予測される危害や不利益を避ける。
原則5 法律を守り、正しい知識や技術、経験を適切に活かす。
原則6 分け隔てなく、いつでもだれに対しても尊厳ある介護を実践する。
介護に携わる専門職なら、手元に置いておきたい安心の一冊だ。
目の前の困りごとへの解決方法を見つけるために、また自分の日々の対応を改めて見直すために、役立ってくれるに違いない。
介護事業所内でのスタッフ研修にも絶好の一冊だ。
著者プロフィール(引用)
中村 裕子(なかむら・ひろこ)さん
株式会社日本ヒューマンヘルスケア研究所代表取締役・所長。医学博士、保健学修士。1996年より仙台白百合女子大学人間学部生活福祉専攻教授。2009年に株式会社日本ヒューマンヘルスケア研究所を設立。2011年より聖隷クリストファー大学社会福祉学部臨床福祉学科長。2017年より現職。
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