中小企業の資金繰りを支援する国の制度「セーフティネット保証」。
新型コロナの影響が続くなか、中小企業の資金確保の手段となっています。
今年8月以降の保証について、経済産業省からの通達を解説します。
2021年7月まではほぼ全業種が対象となっていましたが、8月以降の対象業種はどのようになるのでしょうか?
セーフティネット保証とは
「セーフティネット保証」とは、中小企業を対象とした、政府の資金繰り支援制度です。
中小企業に対し、信用保証協会が保証人となることで、金融機関からの融資を円滑にするための制度です。経営悪化や売上の減少などで融資が受けられない、という事態を避けるために活用されています。
中小企業の資金繰りを支援する「セーフティネット保証」には1号~8号までの8種類がありますが、指定業種に該当する中小企業が保証を受けられるのが「セーフティネット保証5号」です。
「セーフティネット保証5号」の保証内容は?
◆セーフティネット保証5号の対象
次のいずれかの要件を満たし、市区町村の認定を受けた中小企業。
(イ)指定業種に属する事業を行っており、最近3か月間の売上高等が前年同期比5%以上減少の中小企業者
(ロ)指定業種に属する事業を行っており、製品等原価のうち20%を占める原油等の仕入価格が20%以上、上昇しているにもかかわらず、製品等価格に転嫁できていない中小企業者
◆セーフティネット保証5号の内容
・保証割合:80%保証
(借り入れが返済できなくなった場合、保証協会が80%を保証)
参考:
中小企業庁「セーフティネット保証制度(5号:業況の悪化している業種(全国的))」
「セーフティネット保証5号」対象の介護事業所は?
2021年8月からの「セーフティネット保証5号」の対象予定の業種について、中小企業庁から通達がありました。
現在のところ、535業種が対象予定。
介護業界では、
「通所・短期入所介護事業」「その他の老人福祉・介護事業」「他に分類されない社会保険・社会福祉・介護事業」が対象となる予定です。
ただし、今後の経済業況により、対象業種の追加も検討されているとのことで、7月下旬に対象業種が正式に発表されるとのことです。
介護事業所へのセーフティネット保証の概要
今年発表されているセーフティネット保証について、
介護業界での対象業種は以下の通りです。
◆2021年8月1日~12月31日
・通所・短期入所介護事業(細分類番号8543)
・その他の老人福祉・介護事業(細分類番号8549)
・他に分類されない社会保険・社会福祉・介護事業(細分類番号8599)
(※正式発表は7月下旬の予定)
◆2021年7月1日~7月31日
中分類85(社会保険・社会福祉・介護事業)に分類されるすべての業種
◆2020年5月1日~2021年6月30日
中分類85(社会保険・社会福祉・介護事業)に分類されるすべての業種
(※当初、2021年1月31日までが指定期間だったものが、延長に)
参考:
経済産業省「セーフティネット保証5号の対象業種を指定予定です(令和3年8月1日~同年12月31日分)」