5月を過ぎたこれからの季節は、一年の中でも特に日光や紫外線が強い時期だ。そのような中、意外と知られていないのが日の光が当たることで皮膚がかぶれる光接触性皮膚炎。介護職員や高齢者がよく使う湿布薬が原因となることもあり注意が必要だ。
太陽の光に当たることで、皮膚が赤く腫れたり、水ぶくれができてかぶれた状態になる光接触性皮膚炎という病気がある。
普段の日焼けとは違い、ただ日光に当たるだけでは発症せず、特定の薬などが皮膚に触れた後に紫外線に当たることが引き金となる。
原因は様々だが、介護の場で特に注意が必要なのは炎症を抑える湿布薬や軟膏を使用していた部位に紫外線が当たることで皮疹を起こすケースだ。
現場では、手首や首筋など湿布薬や軟膏がよく使用され、日の光があたる部位に一致して赤くかぶれた利用者や介護職員に出会うことが多い。湿布の形に一致して手首に四角形の発赤や水ぶくれが見られるのが典型的だ。
代表的な薬剤として、関節の痛みなど炎症を抑えるために使われる非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)のケトプロフェンやスプロフェンといったものが挙げられる。特に湿布薬でよく使われるケトプロフェンの頻度が高いとされる。
また、レモンなどの柑橘類やセロリなど植物の汁に含まれる成分が原因となることもある。
湿布のあとに皮疹がみられる
皮疹が起こる仕組みとして、光毒性、光アレルギーの2つの説が提唱されている。
光毒性は、皮膚から吸収された物質に紫外線が当たり有毒な活性酸素が発生し、組織や細胞に傷害を与えるものだ。
もう一つの光アレルギーは、吸収された物質と、近くの細胞などのタンパク質が紫外線によって結合し、免疫細胞の標的となりアレルギーを起こすものだ。
本症の多くが光アレルギーによるとされている。
診断は、湿布や軟膏を使った場所・植物の汁に触れた場所などに一致した皮疹から本症を疑うことに始まる。ケトプロフェンの湿布薬に関しては、剥がして数週間以上経っていても、もともと貼っていた場所に紫外線が当たることで皮疹が出ることがある。過去にさかのぼって話を聞くことが大切だ。
検査は、原因として疑われる物質を皮膚に貼った後に、紫外線を当てて症状が出るかを確認する光貼付試験を行う。最初に原因物質を張り付けた時点で反応がなく、その後、紫外線を当てることで症状が出た場合に陽性と判断する。これらは皮膚科で行われることが多い。
治療は、まず皮疹が出た場所に日光が当たらないようにすること。特にケトプロフェンが含まれる湿布を使った場合は、症状が長引くため数週間は遮光する。また、ステロイド外用薬を用いたり、抗アレルギー薬の内服を行い経過を見ることもある。
<シルバー産業新聞 2024年5月10日号>
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