毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。
今週は、「世の中は知らないことだらけ」という話題について紹介します。
若い介護スタッフに最年長の利用者さんが激怒!
介護業界は50代、60代の方が多く働く一方、高校を出たばかりの10代のスタッフも少なくない。
夢と希望に燃え、必死に働く若者の姿は尊いが、人生経験不足からトラブルが生じることもしばしば…。
都内の介護付き有料老人ホームで働くカトウさんが語る。
「先日、食事の用意を終えた若い女性スタッフのハルコさんが、フロアの隅っこでメソメソと泣いていました。
『どうしたの?』と声をかけると、『利用者さんに怒鳴られた』と言うのです。
ハルコさんが怒鳴られたという利用者Yさんは非常に気難しい性格で、それまでもYさんに泣かされたスタッフは何人かいましたが、その日、ハルコさんが怒鳴られたのは“座る場所”についてでした」
入り口真横の席に座らされたYさんが…
Yさんは普段、一番奥の席で食事をしているが、その日はレクリエーションの準備の都合でYさんの席は入り口の真横に移動していた。
そこでハルコさんがYさんを入口の横の席に案内したところ、Yさんは「こんな末席にオレを座らせるのか!」と、激昂。
「末席」という言葉を知らなかったハルコさんがキョトンとしていると、Yさんはそれを見てさらに怒ったという。
社会に出てわずか数年の若者が、「上座」「下座」というルールを知らなくても不思議ではないが、施設内で最年長者のYさんは、
入り口のそば=下座に座らされたことに腹を立てたのだ。
しかもハルコさんは、怒ったYさんが発した怒りの言葉も理解できなかったという。
「どうやらYさんは、自分の席が入り口のすぐそばだと気づいた瞬間、『失敬な!』と叫んだようです。
しかしハルコさんは
『失敬』という言葉を知らなかったため、『は?なんですか?』と聞き返してしまい、それも怒りの火に油を注いだようです」
高齢者が利用する介護施設は、人生の先輩がたくさん
ただ救いがあったのは、周りの入居者がハルコさんに助け舟を出してくれたことだ。
「Yさんが怒鳴り声を上げると、何人かの利用者さんが率先して『いいよ、若い私がそこ(下座)に座るよ』と、言ってくれたのです。
確かに色々な面で我々の配慮も足りませんでしたが、ハルコさんは後で、色々な利用者さんから『あんなことは気にしなくていいんだから』と慰めてもらったようで、感激していました」
確かに「末席」や「失敬」といった言葉は、若者の会話で出ることがない言葉だが、仕事である以上、「知らないから」では済まされないもの。
言葉遣いに構えてしまう必要はないが、人生経験を積んだ高齢者の方から、時には教科書や参考書では学べない知識を得られるのも、介護現場の醍醐味なのかもしれない。
公開日:2019/7/8
最終更新日:2020/2/26
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