老健から認知症型グループホームに転職して、5年。介護を安易に考えている同僚に疑問を持ち、もっと利用者さんを尊重できる介護がしたいと強く思ったMさん。考えた末に、転職を決意しました。今度こそ、理想の介護ができる職場を――。最終回は今の心境を語っていただきます。
*M・Nさんの「私が転職した理由」…1回目、2回目、3回目、4回目(最終回)はこちら
M・Nさん(35歳)のプロフィール・転職経験
●介護業界歴…12 年
●介護の仕事に就く前…土木建設会社
●転職回数… 3回
●いままでの勤務先…老人保健施設(老健)、グループホーム
●保有資格…介護福祉士
最大8人ユニットのグループホームに転職
次の転職は失敗したくない。その思いが強かったから、焦らずにゆっくり探しました。家からそう遠くなく、理念がしっかりとしたところを求め、探した結果、NPO法人が主宰するグループホームを見つけました。最大で8人のユニット。きめ細かい対応をしている様子で、給料も以前より少し高い。ここだ、と思って決めました。
今、転職してちょうど1年になります。それぞれのホームに特徴があり、もちろん、ここもいい面ばかりでないことはわかっています。雑用が多かったり、記録が煩雑だったり、不満がないわけではありませんが、小さな部分は妥協をして、介護という仕事にまい進していきたいと思っています。それに、客観的に見ても、今の職場は、いままでのところより、ずっといい。経営者の考えもしっかりしていて、揺るぎません。
そもそも、自分にはグループホームが合ってるんだと思います。グループホームですと、料理も掃除もあり、家事の部分で戸惑うことはありますが、それほど難しい料理は望まれないですし、問題なくできていると思います。利用者さんとも、まあまあいい関係が築けていると思います。
前の職場のときよりも達観して仕事に取り組めるのは、職場外の仲間を得たことも大きいですね。前の職場の同僚で気の合う友人になった人に、「介護職を中心にした仲間の飲み会があるけれど、行かないか?」と誘われ、参加してから2年。ずいぶん知り合いが増えました。自分の職場の問題や悩みなどを、お酒を飲みながら語れる場があるのは、とてもありがたいです。集まっている人もそれぞれ疑問や悩みがあり、それを聞いていると、自分の悩みも冷静に考えられるようになります。適切なアドバイスをくれる人がいるのも、うれしいですね。僕よりもっと情熱を強く持って介護に取り組んでいる人もいて。刺激になります。
その集まりでは、勉強会も主催しているので、介護職としてのスキルや知識を向上させることもできます。他のホームではどんなことをしているのかもわかるので、本当に勉強になります。この体験を、職場にも生かしていきたいと思っています。
介護職は天職だと思っている
土木関係の仕事から介護職へ、と180度違う仕事に就きました。最初の頃こそ、戸惑いはありましたが、12年間この仕事を経験し、僕にとって、介護の仕事は天職だと思えるようになりました。人と接することが好きですし、自分と接する利用者さんが幸せになってほしいという思いが強いです。利用者さんの笑顔を見ると、本当にうれしくなりますし、もっと頑張ろうという思いも強くなります。
これを言うと、みんなびっくりするのですが、余暇は、ボランティアで別の特養でお手伝いをしています。「なんで仕事が終わってまた仕事するの!?」などという言い方をされますが、そうではなくて。僕にとって、ボランティアは趣味なんです。車が好き、旅行が好きというのと同じで、ボランティアが好きなんです。地元の消防団にも所属していますし、地域のため、人のために働くのが好きなんですね。
この後も、介護の現場でずっと働いていきたいです。管理者や経営者になるとかは、まったく考えていません。現場を離れて、数字ばかり追っていたら、また辞めたくなるような気がします。35歳という年齢を考えると、結婚という二文字もちらつきます。もう少し給料が高ければ、結婚し、子どもを持つこともすぐに考えられるのですが。今は、うーん…ちょっと躊躇してしまいますね。
とはいえ、今の生活に不満はありません。まだ転職して1年、やるべきことはたくさんあります。利用者さんにいきいきと暮らしていただくために、何をしたらいいのか。もっと考えて実践していきたいと思っています。
*M・Nさんの「私が転職した理由」…
1回目、
2回目、
3回目、4回目(最終回)はこちら
●先輩たちの職場選びの失敗事例に学ぼう
→ 「こんなはずじゃなかった…」 転職先選び 私の失敗談
●○● 介護業界で転職する時の 基本ノウハウ ●○●
介護求人ナビの求人数は業界最大級! エリア・職種・事業所の種類など、さまざまな条件で検索できます